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小規模事業者持続化補助金の第20回公募が始まります——第19回との違いを整理します
こんにちは。
神戸市灘区のくじら行政書士事務所です。
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>の第20回公募要領が公開されました。
補助上限額や補助率など、基本的な枠組みは第19回から大きく変わっていません。
しかし実際に申請を検討するうえでは、無視できない変更点がいくつかあります。
特に、ウェブサイト関連費と広報費の整理、賃金引上げ特例の要件、相見積が必要になる基準については、第19回と同じ感覚で進めると計画の組み直しが必要になる可能性があります。
この記事では、第19回との違いを中心に、第20回で注意したいポイントを整理します。
第20回 公募スケジュール

| 公募要領公開:2026年5月27日(水) 申請受付開始:2026年11月5日(木) 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2026年12月4日(金) |
※予定は変更する場合があります。事業支援計画書の締切は申請締切より前になりますので、商工会・商工会議所への相談はお早めに。
補助上限・補助率の基本は変わらない
まず、補助上限額や補助率の基本的な枠組みは第19回と変わりません。
通常枠の補助上限は50万円、補助率は原則3分の2です。インボイス特例に該当する場合は50万円、賃金引上げ特例に該当する場合は150万円が上乗せされます。両方に該当する場合は最大250万円となります。
表面的には「第19回と同じように使える補助金」に見えますが、経費の区分や特例の要件に変更があります。ここを見落とすと、申請内容や予算の組み方に影響が出るため注意が必要です。
第20回の主な変更点

変更点①:ウェブサイト関連費の上限が「4分の1ルール」から30万円の独立上限に
第19回まで、ウェブサイト関連費には「補助金交付申請額の4分の1、最大50万円」という上限がありました。
第20回では、この4分の1ルールがなくなり、ウェブサイト関連費の上限は補助金額ベースで30万円に変わっています。
「50万円から30万円に下がった」と感じるかもしれませんが、第19回では申請全体の金額が小さいほどウェブサイト関連費に使える金額も小さくなっていました。第20回では30万円という上限が独立して設定されたため、計画の規模によっては以前より組みやすくなるケースもあります。
| 注意:ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。必ず他の経費と組み合わせ、販路開拓の計画全体の中で位置づける必要があります。 |
変更点②:インターネット広告・SNS広告は広報費に整理。上限はウェブサイト関連費とは別枠で30万円
第19回では、インターネット広告やバナー広告、SNS広告、運用代行費などはウェブサイト関連費の対象例として記載されていました。
第20回では、これらが広報費の対象として整理されています。また、広報費にも補助金額ベースで30万円の上限が設定されています。
ウェブサイト関連費の30万円と広報費の30万円は別枠です。両方を計画に含める場合、合わせて最大60万円分(補助金額ベース)を計上できる可能性があります。
◆ 経費区分のイメージ
- ホームページ改修、ECサイト改善 → ウェブサイト関連費
- チラシ、パンフレット、インターネット広告、SNS広告 → 広報費
- 設備導入 → 機械装置等費
- 外注による改装や専門業務 → 委託・外注費
| 当事務所ではウェブデザイン事務所と連携しており、ホームページ制作やLP制作について相談先をお探しの方には、必要に応じてご紹介することも可能です。補助金申請の検討と並走してご相談いただける環境を整えています。 |
変更点③:賃金引上げ特例の要件が大きく変わった
第20回で特に注意が必要なのが、賃金引上げ特例の要件変更です。
第19回では、補助事業終了時点において事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げることが主な要件でした。
第20回では、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが要件となっています。「一番低い時給の従業員を50円上げる」という考え方ではなく、一定期間の給与支給総額を比較して判断する形に変わりました。
必要書類も重くなっています。第19回では直近1か月分の賃金台帳を確認する形でしたが、第20回では連続する12か月分の賃金台帳などが必要になります。
| 重要:要件を満たせなかった場合は、上乗せ部分だけでなく通常枠を含めた補助金全体が交付されません(公募要領に明記)。 |
賃金引上げ特例は補助上限額が大きく上がる魅力的な制度ですが、リスクも相応にあります。申請前に、給与台帳・雇用条件通知書・従業員数・今後の賃上げ予定を確認し、無理のない計画になっているかを慎重に検討してください。
変更点④:機械装置等費の相見積が必要になる基準が100万円超から50万円超に
第19回では、機械装置等費について1件あたり100万円(税込)を超える場合に2者以上からの見積が必要とされていました。
第20回では、この基準が50万円(税込)超に引き下げられています。対象は引き続き機械装置等費です。
厨房機器、美容機器、製造機械、業務用設備など、50万円を超える機器導入を予定している場合は、これまでより相見積が必要になる場面が増えます。申請直前に慌てて見積を集めることのないよう、早い段階から2社以上への見積依頼を進めておくことをおすすめします。
| 見積書を取得する際は、品名・数量・単価・作業内容・仕様・納期などが明記された形で依頼しておくと安心です。 |
変更点⑤:加点項目にも見直しがある
第20回では、加点項目にも変更があります。
賃金引上げ加点は、賃金引上げ特例と同様に、従業員1人あたりの給与支給総額の増加を基準とする形に変わっています。
また、第20回では「事業環境変化加点」が新設されています。ウクライナ情勢・原油高・米国相互関税などの影響を受けている事業者が対象となる加点項目です。該当する可能性がある場合は確認してみてください。
そのほか、健康経営優良法人加点や地域別最低賃金引上げ加点なども引き続き設けられています。
| 加点は採択を保証するものではありません。特に賃金引上げに関する項目は、達成できなかった場合のリスクがあります。自社の実態に合った内容で申請することが何より重要です。 |
第20回公募で早めに準備したいこと

第20回の申請を検討している方は、次の準備を早めに進めておくと安心です。
◆ GビズIDプライムの取得確認
電子申請に必要です。未取得の場合、取得まで時間がかかることがあります。
◆ 経費区分の整理
ウェブサイト関連費・広報費・機械装置等費など、何をどの区分で計上するかを早めに整理しておきましょう。
◆ 相見積の早期準備
機械装置等費で50万円(税込)を超える発注が含まれる場合は、2社以上への見積依頼を早い段階から進めてください。
◆ 賃金引上げ特例を使うかどうかの判断
給与台帳・従業員数・今後の賃上げ予定を確認し、要件を満たせるか慎重に見極めてください。
◆ 事業計画の具体化
この補助金は、自社の経営課題に基づいて販路開拓や業務効率化に取り組むための制度です。「何を買いたいか」だけでなく、「それを使ってどのように販路を広げ、売上につなげるか」を計画として説明できる状態にしておくことが重要です。
おわりに

小規模事業者持続化補助金の第20回公募は、補助上限額や補助率の大枠だけを見ると、第19回と大きく変わらないようにも見えます。
しかし、実際にはウェブサイト関連費や広報費の考え方、賃金引上げ特例の要件、相見積が必要となる基準など、申請内容に影響する変更点があります。そのため、第19回までの感覚でそのまま申請を進めるのではなく、第20回の公募要領に合わせて、経費区分や必要書類、事業計画の内容を整理しておくことが大切です。
また、補助金はあくまで事業を進めるための手段です。
「補助金が使えるから何かをする」のではなく、「自社の販路開拓や売上向上のために必要な取り組みがあり、その一部に補助金を活用する」という考え方が重要です。
ホームページの改修、広告の実施、設備の導入なども、それ自体が目的ではありません。どのような顧客に届けたいのか、どのように売上につなげるのか、補助事業後にどのような効果を見込むのかを整理したうえで、無理のない計画を立てることが大切です。
当事務所では、小規模事業者持続化補助金の申請に関するご相談を承っております。
第20回公募で申請できるか確認したい、ウェブサイト制作や広告費を含めて申請したい、賃金引上げ特例を使うべきか判断したい、見積書や経費区分の整理に不安があるという場合は、お早めにご相談ください。
行政書士 内藤紗也
※本記事は、公募要領等をもとに一般的な内容を整理したものです。実際に申請する際は、必ず最新の公募要領・参考資料・申請システムの案内をご確認ください。