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成年後見制度改正で、障害福祉の現場はこう変わります

2026.5.22

こんにちは。
神戸市灘区のくじら行政書士事務所です。

最近は5月とは思えないほど暑い日が続いていますね。熱中症対策など、体調管理にお気をつけてお過ごしください。

前回の記事:成年後見制度の民法改正案が閣議決定されました では、成年後見制度の民法改正案のポイントとして「①期間限定の利用が可能に」「②後見人の選び方の見直し」「③3段階から補助への一本化」「④費用の見直し」をご紹介しました
この「補助への一本化」が、障害福祉の分野でどんな変化が起きるのか、概要をお伝えします。

障害福祉の現場への影響

1.支援の内容をオーダーメイドで決めるようになる

補助に一本化されると、後見人の権限は「この契約だけ」「金銭管理だけ」というように個別に設定できます。本人の自己決定を尊重しながら、必要な部分だけサポートする形が広がります。
◆ 本人の意思を中心に

2.「後見人がいる=何でも代理できる」ではなくなる

事業所側は、補助人にどの権限があるかを都度確認する必要が出てきます。利用契約・施設入所・金銭管理など、各行為について代理権があるかを確認し、本人の意思確認の記録を残すことがより重要になります。
◆ 事業所の実務に影響

3.障害福祉関係の法令も一緒に整理される

身体障害者福祉法・精神保健福祉法・知的障害者福祉法・障害者総合支援法などにある「市町村長による審判請求」の規定や、「家族等・保護者」に関する規定も、今回の改正に合わせて修正される予定です。説明資料や相談フローも今後改訂されていく見込みです。
◆ 関連法令も改正予定

4.地域権利擁護相談支援センターを軸に、多職種連携が広がる

厚労省の改正案では「地域権利擁護相談支援センター」の設置が盛り込まれています。成年後見制度や権利擁護事業の相談・連携を担い、以下のような関係機関が横断的につながる場が増える見込みです。
◆ 多職種・多機関の連携へ

5.身寄りのない方への支援ニーズが制度上も見えやすくなる

社会福祉法等の改正案では、身寄りのない高齢者・判断能力が不十分な人への日常生活支援・入院手続支援・死後事務支援などを行う事業が、第二種社会福祉事業として位置付けられる予定です。高齢者向けの内容ですが、障害福祉にも関わる場面があります。
◆ 後見制度だけでは拾えないニーズも対象に

親が高齢で支援できなくなった障害のある方
一人暮らしで緊急連絡先がない方
入院・入所時の手続を誰が支援するか不明な方
亡くなった後の手続・家財処分に不安がある方

おわりに

障害のある方の「親なきあと」や「一人暮らしでの意思決定サポート」など、成年後見だけでは拾いきれないニーズが今後さらに見えやすくなります

後見制度の利用相談・任意後見契約のサポート・事業所向けの説明資料作成など、お気軽にご相談ください。

行政書士 内藤紗也

※本記事は2026年5月22日時点の法令・改正案をもとに作成しています。今後の国会審議によって内容が変わる可能性がありますので、最新情報は各関係機関にご確認ください。